TOP

2024年も「わたしらしく」

みなさま2024はいかがお過ごしですか。
年始よりいろいろ悲しいことが続きましたが、こんな時こそ、ご縁のある方々を励ますとこができる存在でありたいと感じています。
薬膳は、こころがからだに先立つことを基本とします。不安や心配に飲み込まれないように、いかにして気分を切り換え、できることを粛々と続けることかが大切ではないでしょうか。
今年もみなさまのご健康とご多幸を祈念しております。  
薬膳スクール桜桃庵 庵主:智祥

食べることは生きることの1/3

わたしたちは、食べたものを胃や腸で消化吸収するために実にエネルギーの30%を消費しています。
つまり、「食」が占める割合が1/3、人生の3つの基本を衣食住とするのは、まさにこのことを指しているのでしょう。命と切っても切れない三大要素というわけですね。

桜桃庵の定番、アボカドと魚介のマリネ&ひれハム風

この数十年は、飽食の時代といわれてきましたが、世界の情勢は日に日に変化していますし、気候も複雑化しているようです。
それに伴って食生活を取り巻く状況も時々刻々と変化しているのです。食料自給率の低い日本では、のん気にしていられない日がくるかも知れません。あなたはどう思いますか?

「食」を見ればそのひとがわかる

1年365日、いのちを養うため、楽しみの内に食生活を送るのは喜びでもあります。
平時には、病を得て思うように食べられなくなってから後悔しないように適正に食べ、時には病を癒す食事を家族のために、そして、自分自身のために用意する。薬膳とは、クスリになる献立、おうち薬膳とは、天の配剤なる旬の薬効を持つ食材を中心に、自宅に居ながら養生する膳ととらえています。

巷には、様々な情報があふれていますが、ほんとうに自分に役立つもの、必須のものは実はそんなに多くないのかも知れません。知っているだけではあまり役に立たず、知識はほんの少しでも自分に必要なことがらを愚直に継続する方が的を得、チカラを発揮することだってあります。
四季の過ごし方の基本を知り、暑さの中にも寒さがあり、また、その逆もあることを素直に受けとめて日々の食生活を送ること。そんな丁寧な食の在り方は、あなたの生き方、ライフスタイルにもつながってくるのではないでしょうか?

大阪では「少彦名神社」が神農さんと呼ばれて薬の神様

薬膳の祖は、3,000~4,000年をさかのぼる古代中国の三皇五帝のひとり「神農」といわれます。
日本には、奈良時代に伝わり、江戸時代に独自の漢方へと発展しました。明治時代になり、西洋医学中心の世の中になって、逆に解決できない症状を抱え込むことも多くなり、時代の要請を受けてここ数十年の間に復権し、今では多くの人たちが興味をもつところとなりました。

神農本草経 薬膳のバイブル
副作用のあるなしをもとに生薬を上中下で分類解説されている

今こそ求められる「おうち薬膳」

おうち薬膳、ひとことでいえば、おうちに居ながらにして自分で薬膳の理論に則った献立を準備すること。プロの高級薬膳を数回食べたからといって、もともとの体質や悩みの症状がいっぺんに消えてしまうわけではありませんから、おうちでくり返し調理できるのがベターです。
薬膳4,000年といわれ、一度に多くを習得することはできません。それこそ、一生を通じて上達するわけですから、ほんの少しの知識で何ができるのか、と思うかもしれませんが、自分や家族に今すぐ必要な対策をきちんと施すことができれば医師にも劣らぬ効果を発揮してくれることもあります。

スパイスも生薬のうち、シナモン(桂皮)スターアニス(八角)など

家族の体質や慣習などは似ていることが多く、あなたが、おうち薬膳を習得して(あるいは、一緒に学習して)日々、家族みんなで同じ献立を食すことによって、不定愁訴と表現される未病やすでにある症状の緩和などがはかられる可能性が高いと考えれます。
一般的な趣味の習い事と異なるのは、まわりにも恩恵がもたらされることです。
子どもを守り育てるためには父母が、年老いた親の薬膳を整えるのが娘や息子であるように、欠かせない「食」を薬膳の視点からとらえることで、生活の充足がはかられたなら最高ですね。はじめの一歩、1とゼロのちがいは大きいのです。

庵主、智祥も、自分や家族に必要性を感じて薬膳を必死に学びはじめました。
ひとが3年かかるところを1年で、1年かかるなら3か月でという勢いでしたが、幸い良い先生に巡り遭い、また、若いころから東洋思想哲学にふれていたこと、医学や栄養、添加物や化粧品についても広く浅い知識があったため、センスがいいとほめられることもありました。センス…とても大切な要素と感じます。好きこそものの上手なれといいますが、興味がある、ほかの知識と関連付けて推察できる、積極的に応用してみようとする、まず、自分で試してみることが次のステップへの近道です。百聞は一見に如かずという言葉の通りです。

過ぎたるは及ばざるがごとし

薬膳を学びはじめたころ、わたしの先生は、いつもこうおっしゃっていました。
「やたらと濃い成分のサプリが良いわけではない、ヒトのからだは何千年もの間を通じてそんなものを処理するようにはできていない」「生薬だってクスリ、使わなくていいならそれに越したことはない」
何にいい、これがいいの前に、自然の摂理に従うことの大切さを実感しました。

ロクとは水平のこと、ろくでなしとは水平でない
型の崩れた者の意味です。

おいしいからもっと食べたいけど、いつもそうやっていてはマズイことは誰にでもわかります。でも、なかなか節制できません。
からだには恒常性というありがたいシステムがちゃんと備わっていて、常に±プラスマイナス「ゼロ(中庸)」を保とうと機能してくれていますが、生姜がいいからと摂りすぎれば、反対の弊害が現れます。偏った知識でからだを傷つけることがないように、きちんとさじ加減できることが必須です。

知識やワザは少なくてもよい、扱い方を正しく学んで、継続して活用できてこそです。おうち薬膳はその入門になっています。今は、ネットで多くの先生方の発進する情報を得ることができる時代ですから、どんどん参考にして、スキルアップしてください。薬膳には基本の原理原則がありますから、まずは、それを知ることからはじめましょう。

こころはからだに先立つ

わたしたち日本人にとって特別な花といえば桜でしょう。
万葉の時代から、わたしたちは潔さやはかなさ、凛としてすがすがしい花の姿にこころを重ねて、春を迎える度、時折、季節外れに咲く花に出遭う度にも想いを寄せて暮らしてきました。

桜はわたしたち日本人のこころそのものですね

薬膳では、喜怒哀楽に代表される「感情」「精神状態」が五臓六腑に強く相関しているとして、症状が現れる前に必ずこころの葛藤や苦悶があったことが明らかにされています。
また、暑さ寒さなど四季の変化もストレスのひとつです。
健康に過ごすためには、日々のこころとからだの変化を見つめなければなりません。
家族の誰かが元気がなさそうに見えたら、おや、どうしたのか、ストレスを癒す献立にしてあげようかと思うでしょう? 自分にもそうしてあげるべきです。おうち薬膳なら自分にもまわりのみんなにも、そうできる、すばらしいですね。

桜餅には、塩漬けした桜の葉を用いますが、あの独特の香り成分にも薬効があります。花の成分は化粧品原料としても使われています。わたしたちは大自然の一部、そして、こころをからだが融合していきている自然のいのちそのものなのです。

今こそ「いのちの水」を考える

今、時代は末法末世と思われるむごたらしい様相を呈しています。
そんな暮らしの中で、自分と家族、親しい人たちを護るのはたいへんなことです。
これまで、薬膳スクールとしてあまり前面に出してはお伝えしていなかった情報も開示する必要があると感じます。webリニュアルに際して、スクール開校以前より愛用し、縁あるひとに粛々とお伝えしていた「水」とそれに関連する製品についても声を大にして発信することにしました。

名水(福岡県内)は心を映す鏡にも

わたしたちのからだの50-70%は水で占められています。ほんとうは、何をどう食べたらいいの前に、この最大多数の体液(細胞内液)について考える必要があると考えるのが妥当です。何故なら水はすべての反応の触媒としてのはたらきや情報伝達に関与しているからです。
どうか合わせて学んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました